日本の医療を考える– category –
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2. 診療報酬・医療財政・制度設計
11.診療報酬は誰が決めるのか ― 中医協を“経営言語”に翻訳する ―
「診療報酬は国が決めている。」たしかに最終的な決定は国(厚生労働大臣)にあります。そして、診療報酬の“中身”を具体的に議論し、点数という形にまとめていく中心の場が、中央社会保険医療協議会(中医協)です。 厚生労働省の説明によれば、中医協は診... -
1. 日本の医療・医療制度
最適解を考えるには
公立病院の経営再建に関わる中で、私は医療経営を学び始めました。同時に、自分の考えを整理し、共有できる形にしておきたいと思い、このブログを書き始めました。 第1章では、日本の医療がかつて「優れていた」と言われてきた背景を、医療制度の側面から... -
1. 日本の医療・医療制度
10.医療資源の「見える化」が再生の第一歩
ここまで、日本の医療が直面している課題を、制度・構造・役割の観点から整理してきました。その多くに共通する根本的な問題の一つとして、医療資源の実態(何がどこにどれだけあり、どう使われているか)が、関係者の間で“共有されにくい/見えにくい”こ... -
1. 日本の医療・医療制度
9.“フリーアクセス”は強みか弱みか
日本の医療制度を特徴づける仕組みの一つが、フリーアクセスです。原則として、紹介状がなくても医療機関を受診でき、患者は自らの判断で医療機関を選ぶことができます。この仕組みは、長年にわたり日本医療の大きな強みとして機能してきました。 フリーア... -
1. 日本の医療・医療制度
8.医療は社会インフラか、サービス産業か
医療をどう位置づけるかという問いは、医療制度改革の議論において繰り返し現れます。「医療は命を守る社会インフラであり、市場原理になじまない」「医療も一つのサービスであり、経営の視点が不可欠だ」 どちらも一理ありますが、問題はこの二つが対立概... -
1. 日本の医療・医療制度
7.「医療崩壊」とは何か
「医療崩壊」という言葉は、ここ十数年、繰り返し使われてきました。救急が受け入れられない、産科や小児科が閉鎖される、地方で病院が消える。現場の切実な声を反映した表現である一方、統計データを見ると「医師数は増えている」「医療費も増加している... -
1. 日本の医療・医療制度
6.医療費は誰が、どこで使っているのか
医療費の議論は、しばしば総額だけで語られます。「医療費が増え続けている」「財政が厳しい」という表現は頻繁に使われますが、それだけでは問題の所在は見えてきません。重要なのは、医療費が誰に、どこで、どのように使われているのかという配分の視点... -
1. 日本の医療・医療制度
5.高齢化社会で「医療の役割」を再定義する
これまで日本の医療は、「治す医療」を中心に発展してきました。急性期医療の充実、手術や救命医療の高度化は、多くの命を救い、平均寿命の延伸に大きく貢献してきました。この成果は揺るぎない事実であり、今後も医療の重要な柱であり続けます。 しかし、... -
1. 日本の医療・医療制度
4.成功体験の罠
日本の医療が直面している困難を語るとき、「非効率」「過剰」「改革の遅れ」といった言葉が使われがちです。しかし、それらを単なる失策として片付けてしまうと、本質を見誤ります。現在の医療提供体制の多くは、かつては合理的で、成功を収めたモデルだ... -
1. 日本の医療・医療制度
3.国民皆保険は守れるか
国民皆保険制度は、日本の医療を支えてきた中核的な仕組みです。誰もが保険証一枚で医療にアクセスできるこの制度は、社会的公平性の象徴でもあり、多くの国民にとって「当然の前提」として受け止められてきました。 しかし今、「国民皆保険を守る」という...
